子どもは成人した大人よりも免疫力が低く、感染症にかかるリスクが高くなっています。
そのため日本では、生後間もなくから様々な予防接種を複数回に分けて行い、リスクを軽減しているのが現状です。
始めて親になった人からすると、「え?こんなにたくさん予防接種するの?」と驚いてしまうかもしれません。
仕事や家事、育児が忙しく、「めんどくさいな」と感じてしまいますが、我が子の健康を守るためにもしっかりと接種を完了させるべきなのです。
この記事では、そんな「子どものワクチンの種類と接種時期」について解説していきたいと思います。
子どものワクチンの種類と接種時期
日本には、予防接種ワクチンで様々な病気を予防しています。
昔は4~5人子どもを生むのも珍しくありませんでしたが、すべての子どもが健康に成長し大人になるとは限りませんでした。
しかし、予防接種ワクチンが確立されてからは、確実に死亡者数や重症化数が激減しています。
乳幼児期に計画的に接種することは、とても重要なことなのです。
それでは具体的にどのようなワクチンを接種していくのか挙げていきましょう。
B型肝炎ワクチン
生後初めて摂取するワクチンが、「B型肝炎ワクチン」です。
後述する「ロタウイルスワクチン」や「ヒブワクチン」、「小児用肺炎球菌」、「四種混合ワクチン」と同時に接種します。
生後すぐにでも接種可能ですが、多くの場合は生後2ヶ月ほどを目安に行います。
1歳になるまでに計3回摂取しますが、2回目と3回目の間は4~5ヶ月期間を空けます。
このワクチンを接種することで、慢性肝炎や肝硬変、肝がんになる可能性を減少させることができます。
ロタウイルスワクチン
B型肝炎ワクチンらと同時に接種する「ロタウイルスワクチン」は、2回接種する「ロタリックス」と3回接種する「ロタテック」の2種類があります。
どちらのワクチンも、「初回は14週6日までに接種すること」が推奨されています。
このワクチンを打つことで、重症化を防ぎ脳炎になるリスクを大幅に軽減させることが可能となるのです。
どちらを接種させるか悩む親御さんもいますが、予防効果には差がないと言われているため、接種回数の少ない「ロタリックス」がおすすめです。
小児用肺炎球菌
「小児用肺炎球菌」は、肺炎球菌による重い感染症を予防するワクチンです。
すべての肺炎球菌に効果があるのではなく、90種類以上ある肺炎球菌の中で最も重い病気を引き起こす種類に特化したワクチンとなっています。
B型肝炎ワクチンらと同時接種しますが、4回接種となるので4回目はヒブワクチンや四種混合ワクチンと同時接種を行います。
ヒブワクチン
「ヒブワクチン」は、B型肝炎ワクチンらと同時接種します。
2013年から定期接種となっています。
このヒブワクチン接種を行うことで、重症となるヒブ感染症を100%予防することが可能となります。
乳児期に3回接種し、1歳になってから4回目を打ちます。
四種混合ワクチン
「四種混合ワクチン」は、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオを予防する効果が期待できるワクチンです。
ヒブワクチンと同じように、乳児期に3回、1歳過ぎで追加で1回打ちます。
B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンとの同時接種が基本となります。
また、4歳ごろになると免疫が低下するため、就学前のタイミングで三種混合ワクチンを1回のみ接種します。
BCGワクチン
「BCGワクチン」は、結核による感染症を予防するワクチンです。
乳幼児が結核に感染してしまうと、結核症髄膜炎などを発病するリスクが高まるため、必ずBCGワクチンを接種させます。
タイミングとしては、四種混合ワクチンを3回接種した後がベストです。
接種回数は1回のみでOKです。
MRワクチン
「MRワクチン」は、はしかや風疹を予防するワクチンで、1歳になったら1回目を接種し、幼稚園の年長の時期に2回目を接種させます。
日本脳炎
「日本脳炎」は、日本脳炎ウイルスによって起こる感染症を予防するワクチンです。
致死率も高く、後遺症が残る確率も高いため、確実にワクチン接種をすべきです。
3歳から接種可能で、2回目の接種は1回目の接種6日以上間隔をおいてから行います。
3回目は、初回接種から6ヶ月以上間隔をおいてから行います。
9歳になったら、4回目の追加接種を行います。
まとめ
今回は、「子どものワクチンの種類と接種時期」について解説してきました。
ここで挙げたように、日本では実に様々な予防接種を行います。
他にも水疱瘡ワクチンや不活性ポリオワクチン、インフルエンザワクチン、コロナワクチンなどもあります。
任意接種は親御さんの判断になりますが、定期接種は必ず打つようにしましょう。