赤ちゃんが生まれ自宅で日常生活を始めると、日々育児の大変さを実感しますよね。
1ヶ月もするとようやく少し慣れてくるかと思いますが、最初のイベントがやってきます。
それが「お宮参り」です。
日本の伝統行事であるお宮参りは、生後1ヶ月を過ぎたころに神社に参拝しに行くわけですが、その内容や意味を正確に理解している人は意外と少ないものです。
そこでこの記事では、「お宮参りをやる意味や地域によっての違い」について解説していきたいと思います。
お宮参りとは
お宮参りは、冒頭でも挙げた通り「生後1ヶ月を過ぎたころに神社に参拝をする行事」です。
無事に生まれてきたことに対しての感謝と、健やかな成長を祈るという目的があります。
通常の参拝のように賽銭箱にお賽銭を入れてお祈りするだけでも構いませんが、ご祈祷を受けるまでが一般的に「お宮参り」だと考えられています。
お参りは神社が多いですが、お寺にお参りをするケースもあります。
「○○神社でなければならない」といったことはありませんが、赤ちゃんが生まれた土地に宿る神様がいる神社で行うべきとされています。
近年では、お宮参りの前後にフォトスタジオで記念撮影を行うケースが増えています。
「生後1ヶ月を過ぎたころ」と言いましたが、正確には「男の子の場合は生後31日~32日目」「女の子の場合は生後32日~33日目」に参拝することとなります。
ただしこれはあくまでもベストな日程であり、母子の健康状態や休日のタイミング、または大安の日に合わせても問題ありません。
お宮参りは行かなくてはいけないもの?
近年、日本の伝統行事が簡素化されることもありますし、行わない若年層の人が増えてもいます。
お宮参りに関しても、平成初期のころは「お宮参りに行くのが当たりまえ」であり、「お宮参りに行かないのは非常識」といった意識が日本人にはありました。
しかし、現代では、1~2割の家庭がお宮参りをしません。
決して「行かなくてはいけないもの」ではなく、強制ではない「子供の健康を祈るための行事」なのです。
お宮参りしなかった理由としては、このようなことが挙げられます。
伝統行事をあまりしない家庭で育った
昭和の時代では、経済的な問題がなければ多くの家庭で日本の伝統行事を行っていました。
しかし、平成初期ころからは、少しずつ行事を行わない家庭が増え始めていきました。
そんな過程で育った人は、自身が結婚し子育てをすることになっても行事ごとに対する興味がなく、行わない可能性が高いのです。
宗教が異なるため
無宗教者の多い日本では、お宮参りに対してのネガティブなイメージがなく、必然的に参加する家庭が多くなっています。
しかし、宗教が異なる場合には、それを理由に「お宮参りをしない」といった選択をするケースもあるのです。
忙しくて結局行けなかった
核家族化の進む現代では、両親が共働きで子育てをしている割合が非常に多くなっています。
期間がある程度決まっているお宮参りは、忙しくて参加できないといった可能性もあるのです。
健康状態が良くなかったため断念した
前述したように、お宮参りはある程度日程が決まっていますが、母子のうちどちらかでも体調を崩してしまうと不参加にせざるを得ないわけです。
ただし、多少日にちがズレたとしても、改めてお宮参りをするケースもあります。
1~2週間程度のズレであれば、問題なくお宮参りをして問題ないでしょう。
お宮参りの地域によっての違い
お宮参りは、地域によってその内容に多少の違いがあります。
北海道や青森ではお宮参りではなく「百日参り」を行う
通常のお宮参りは生後1ヶ月程度ですが、北海道では生後100日後に「百日参り」を行うことが多いようです。
北海道では100日後ですが、青森では男の子が生後120日まで、女の子は生後110日までに行います。
ちなみに、山形県では生後51日でお宮参りをする地域もあるようです。
関西は帯銭、紐銭の習慣がある
関西のお宮参りでは、他の地域とは異なり「帯銭、紐銭」といった習慣があります。
これは、将来お金に困らないように願いを込めてご祝儀袋に入ったお金を身につけるといったものです。
また、関西の方では男の子には大きく元気に育つように「大」女の子には優しく健やかに育つように「小」の文字を額に口紅で描く文化があります。
関東や中国、四国、九州、沖縄は一般的なお宮参り
過程によって多少の違いはあるものの、関東や中国、四国、九州、沖縄に関しては「男の子の場合は生後31日~32日目」「女の子の場合は生後32日~33日目」に神社でご祈祷してもらうなど同じような内容になります。
まとめ
今回は、「お宮参りをやる意味や地域によっての違い」について解説してきました。
無事に生まれてきたことに対しての感謝と、健やかな成長を祈るという目的で行われるお宮参りは、「参加しなければならない」という行事ではありません。
しかし、特に不参加とする理由がなければぜひ家族で神社に参拝し、ご祈祷をしてもらいましょう。